市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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思いつくままに10

 ところでもう一つの想像の方はどうでしょうか。この言葉はイマジネーションと言う外来語を翻訳してできたのだったと思いますが、連想とか空想とか言う言葉と結びつく人間の大切な精神活動の一つを表しています。しかしまたどうもハイテク映像などの情報洪水の時代に、ますます必要視されながら却って枯渇が心配されている能力のようでもあります。なにしろ、殺されたり傷つけられたりする者の痛みや悲しみを、わが身に引き付けて感じられる者なら、到底できないような凶悪な犯罪や、いじめや暴力などが増えてきているのですから。タバコの吸殻や公共地などでのゴミのポイ捨ても、想像力の無い人の仕業でしょう。結構身近な人間の中にも「想像力の貧困」な隣人や同僚がいたりして困っている人は多いのではないですか。
 夢想や空想とともに他人の気持ち慮るのも想像力の重要な働きです。抽象表現ではそのような想像力を駆使して新鮮な空間を創造することとともに、見る人の想像力をいかにして刺激するかが問われます。
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06-3・羽化へ F120号
 抽象絵画には一方に、その純粋性の追求から連想や想像を拒絶したり排除したりする流れがあります。しかし多くの場合それはなかなかに難しい問題で、どうしても明るい青は空、赤は血や夕焼けを連想させると言ったことで、見る者の心の動きを排除することに完全に成功することは困難です。そこでむしろそれを逆手にとって、連想を積極的に受け受け入れることで、より強い感動を呼び覚まそうとする抽象絵画の流れもあります。それが具象的な形体を導入すればいわゆる半具象の世界で、現在ここに位置づけられる作家は多数いますが、その一歩手前で空気や波や雲や人の肌や内臓と言った明確に形を持たないものを思わせる形象で勝負する抽象画家たちもいます。
 私は見る人にとっては、抽象絵画ほど自由に想像をひろげ楽しめる絵画は無いと思っています。空間としての美しさや厳しい存在感などと言った感動もさることながら、ちょっとしたばら色の色斑に女性の肌を連想したり、散らばった寒色系の色彩から大宇宙を想像したりしながら、抽象絵画を楽しむのも一つの貴重な精神活動だと思います。ということで私は「イマジネーションを刺激する度合い」を抽象表現作品の重要な価値基準の一つと考えます。
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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/12/13(水) 12:12:44|
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