市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

思いつくままに9

 「美しい」と言う言葉があり、大方の美術作品の価値はこの言葉で表される感動の強さで測られます。美しい空間の創造こそ美術の使命です。しかしその「美しさ」の中身は千差万別、多種多様であります。もともとは醜悪とか汚わいとか考えられていたようなものでも時には美しい画面の中に取り込まれている場合もありますし、ゴッホの作品の美しさとフェルメールの作品の美しさは全く異なった質のものです。
 抽象絵画ではどのように考えたらよいでしょう。美しいものを美しく描くから美しく見えるという具象絵画での常識はここでは通用しません。美しさは全く独自のものとして表れ、画面そのものが美しくならねばなりません。つまり花が花として鳥の声が鳥の声として美しいと言うように、そのキャンバスが一個のものとして美しくならねばならないと言うことです。
 そこに「新しい空間の創造」という美術にとっての基本的な努力が必要になるのです。空間をして人の心に感動を呼び覚ますものに作り変えるにはどうしたらよいか。それが、抽象表現を試みる画家にとっては常に気がかりで、作品の制作の推進力にもなりまた時にはブレーキにもなる永遠の課題です。
 File0325.jpg

File0326.jpg


 ひところは、美しい空間を建築物を創るように「構築する」と言う考え方が支配的でした。そのためまず設計図に当たる下絵や習作をつくり、それを拡大して作品にするのが良いと考えられていました。構図を確定するために比例関係などを計算によって定めたりすることも、しばしばこの段階で行われました。
 しかしもっと直感的に一気に仕上げた方が、新鮮でナマの感動を伝えられるのではないかと考える人も現われてきました。その人たちは下書き等はせずに直接キャンバスに描き、気の向くままに、そのときそのときの直感の赴くままに絵の具を塗ることで、新たな空間の創造を試みました。
 いずれにしても、一筆一筆の色彩と形が常に作者の内面的な判断における「決定的な位置」に置かれることが必要です。その判断の基礎になるのは空間に対する作者の感覚であり、バランスやリズムやムーブマンや色彩の調和やコントラストに対する、しっかり身についた研ぎ澄まされた感覚です。
 さてそこで、初心者の方などにこのような感覚を身につけてもらうには、どうしたらよいのだろうかと考えますが、一番確実なのは結局デッサン力を身につけていただくことかと思います。この場合の「デッサン力」はそっくりうまく描く描写技術のことではなくて、実態を正確に観察する能力とキャンバスと言う空間を端から端まで有機的につながったものとして認識する能力とでもいうべきもので、平行するブログ「デッサンのすすめ」に詳しく書きました。そのような能力を育て維持するためのトレーニングとして、気長に継続的にデッサンをするべきであると書きました。風景や静物のスケッチや人物のクロッキーや空間構成練習などなど。ただしデッサンと言うとモノクロームのものを思い浮かべますが、色彩もお忘れなく。水彩でも油彩でも色鉛筆でも結構、色にも慣れ親しんでください。
スポンサーサイト

テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/12/12(火) 17:53:27|
  2. 絵画入門
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://dantuku.blog59.fc2.com/tb.php/93-c458feab
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。