市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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三つの入り口11

3、絵は表現である
 この本の始めの方に「とにかく描いて見ましょう」ということで、音楽のイメージによる抽象表現の試みをしました。このように目に見えないものを形に表そうというような試みは、造形性の追及やリアリティーの確立とは異なって、作者の内面に生まれた感動を形に表す、つまり「表現」の行為と言うことになります。もっとも、この表現性が効果的に画面を支配していればその作品はそれゆえにリアリティーを持って、見る人の心を動かすのですから、これも作品にリアリティーをもたせる重要な要素でした。
 音楽に次いでやったような「自分の気持ちを色と形で表す」と言うことになりますと、ますます表現性が強くなります。「そのときなんとなく塗りたいと思う色を選んで描きたいと思う形に塗れば、その色と形がそのときの作者の気持ちの正直な表現なのだ」と言うようなことも書きました。なんとなくオレンジ色が塗りたくてその色を筆に付けて、大きく丸っこい形を描きたかったから丸っこいオレンジ色の雲ののようなものを描いたら、それがそのときの自分の気分を色と形で表したものになった、と言うことでそれは表現であり、できたものは抽象絵画である!?

 そんなことで良いのでしょうか。表現なんてそんなに簡単なことなのでしょうか。ちょっと心配になります。表現とは人と人との間で行われるコミュニケーションのために行われる行為です。人々の日常の中で表現の最も代表的なメディアは言語でしょう。言語にもいろいろあって、日ごろのおしゃべりや挨拶やメールなど、仕事上のやり取りで使われる言葉や文章も表現ですが、モットしかつめらしかったり意味ありげに使われる言葉の方が、表現としても価値が高いように思われます。詩や哲学などと呼ばれる分野です。
 そのよな言語表現に近づくことで、新しい美術を興そうとした運動に、19世紀の終わりころから20世紀の前半にかけて、第一次大戦のあとのドイツなどを中心に表現主義の美術運動がありました。代表的な画家としてはキルヒナーやココシュカなどがあり、北欧のムンクやノルデなどもその傾向の作家と考えられています。パリ中心のフォービズム(野獣派)やキュービズム(立体派)の影響の下に、二つの大戦の間の自由主義の進展や大恐慌やファシズムの台頭などの不安定な時代相を反映して、暗く激しく情念的で皮肉な表現を試みています。自然、色彩は美しいと言うよりも、異様であったりどぎつかったり幻想的だったりします。筆遣いは粗く形体は単純化や強調の洗礼を受けて引き伸ばされたり歪められたりします。このような傾向は今にも続いております。

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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/11/17(金) 10:35:06|
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