市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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三つの入り口4

 更に一歩を進めたピカソの作品では愛する彼女(題名はマジョリー、「私のかわいこちゃん」くらいの意味)をモデルにして描いていながら、殆ど抽象絵画に近くなっています。モデルの彼女はこれをどのように見たのでしょうね。
 しかしその後のピカソは生涯に万に近い作品を作りながら、最後まで純粋抽象には手を染めません。彼の作品には最後まで現実の空間感覚や物質感覚、つまり遠近や立体の感じや物質の存在感や質感の表現が残るのです。形態は極端に単純化されたりデフォルメされたりしましたが、ある意味では細部までそっくり描いた写真のような作品よりも、もっと写実的と感じさせるような迫力を伴った作品が多いのです。彼の若い頃に鍛えぬいたデッサン力がそのようなリアリティをを支えていたのでしょうが、また抽象化の巧みさやもの(対象)の本質を見抜く目の確かさがあったと言うことだと思います。それは彼なりのリアリティの要素の維持の方法だったのでしょう。
File0308.jpg


 その点モンドリアンは写実性の課程を超えて後、あの障子の桟のような単純明快な作品群に向かって、一気に純粋抽象の世界に飛躍してしまいました。と言っても彼の作品にリアリティーが無いのかと言うとそうともいえないのです。彼の格子状の単純な構成の作品には、何かしら威厳のような存在感が感じられるのではないですか。ギリギリ煮詰められた結果の、どうしてもこうでしかないのだよと言うような意味での必然性とでも言うべき存在感が、作品そのものに生じているのです。
 この必然的な存在感も作品の一つのリアリティーに違いありません。むしろ作品そのものの価値としてみるならこちらの方が重要な基本的な価値ではないでしょうか。りんごなどの「もの」をそっくり描いて存在感まであらわすこともまた、画面そのものに存在感を与えるための方法のなかの一つであったのに過ぎないのではないでしょうか。

File0309.jpg

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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/11/07(火) 09:34:47|
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