市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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三つの入り口3

 セザンヌの試みを更に大胆に推し進めたのがキュービズム(立体派)の運動でした。セザンヌの残した「自然は円と円筒と円錐から成り立っている」と言う言葉などを手がかりに、ピカソやブラックなどの若い絵描きたちが人体や風景などに思い切った単純化と構成化を施して、殆ど抽象に近い作品を描き始めたのです。
 このキュービズムの運動は抽象絵画の成り立ちにおいて、その基礎の地固めをした大変重要な運動ですからちょっとわかりにくくて親しめないかもしれませんな鑑賞を心がけてください。また真似でも良いからそのような作品を描いて見たりも良いでしょう。
 既にフォービズム(野獣派)の画家として活躍していたジョルジュ・ブラックが、セザンヌの住んでいたエクス地方まで行って描いた風景画が、まるで角砂糖を積み上げたような作品であったため、あきれた批評家たちから立方体派と名付けられた運動です。
 File0303.jpg


 当時ブラックはピカソと同じ建物に住んでいて、二人は絶えず議論を戦わせながら制作していたと言われます。ピカソも負けずに有名な大作「アビニヨンの娘たち」を描いたのですが、あまりに周囲の反応がひどかったため、さすがの彼も数年間に亙って発表をためらったのでした。この作品は今ではキュービズムの代表作として考えられていますが、これを見ても、キュービズムと言っても一口に解釈できるような単純なものではなくて、いろいろな要素が渾然一体となった所から生まれていることがわかります。
 基本的にはセザンヌの作品や言葉に基づく単純化や構成化などの造形意識がありますが、その上に、一つの固定した視点からの解放(多視点の導入)があり、スペインで当時発見された素朴なエトルリア彫刻の影響だとか、アフリカの黒人の彫刻や児童画からの影響もあり、詩人仲間や友人の数学者との議論の中から生まれた考え方もありで、いろいろな要素が次々に取り入れられて行ったと思われます。そのころ急速に発達しつつあった機械文明の、鉄やコンクリートの硬質で直線的な形体感覚も無視できません。そのような多様な感覚が入り混じっているため一見しただけでは理解しにくいのは確かです。

File0304.jpg

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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/11/03(金) 10:25:06|
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