市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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色彩の働き4

 中学生以下の子供に人気のある色は黄色だそうです。明るくて活気があって、不気味な影などとは関係の無い世界。しかしこの明るさは危険な不安定さも持っているようです。白と並べられたりすると、ますますその感を深めます。例のヒマワリや太陽の画家として有名なゴッホは最もこの色を好んだのですが、太陽の光と輝きを表現する色として用いたと言われながら、狂気と自殺に追い込まれていったこの画家の不安と孤独が、その黄色い作品の裏から滲み出してくるようにも思えます。
 この不安定さゆえに、一般の画家には黄色は使いにくい色であったようですが、現代の時代相を表すには向いた色なのかもしれません。
 黄色の補色の紫も使いにくい色の一つで、使いようによって幻想的な美からダイヤモンドの輝きや天上的な高貴さを表す色として使われる一方、夜の色彩であり性的な官能を刺激する色でもあるといわれます。
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吉田敦彦「05-3・幻日」(クリックして見てください)
 このような、個々の色彩の持つ表情や心理的な働きについては、先に書いたように個人差や地域差や民族差といってものも考えねばならないかもしれませんが、絵画表現にとってはそれぞれの作者の内面的な深い色彩経験こそが、ぜひとも必要なことなのです。
 特異な幻想画家であり教育者としてもルオーやマチスやマルケ等の優れた画家を多く育てたことで知られるフランスのG・モローは、「デッサンの勉強は色彩の感覚を萎縮させる。もっと画家は色彩に対するイマジネーションを育てねばならない」と書いていますが、日本には特に鮮度の高い色彩を自由に生かして使う画家が少ないように思えます。
 色彩はただ彩度が高ければ美しいと言うものではありません。周辺との響き合いの中で生かされるわけで、配色の問題では有りますが、それ以上に、画家が内面的な感動を託して色彩を使うのでなければ、本当に生きた色彩にはならないのだと言うことでもあります。

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ギュスタブ・モロー「レダ」
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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/09/14(木) 09:08:28|
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