市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

色彩学③配色

 
真っ赤なチューリップの花のカップの中を覗き込むと、その赤の見事な鮮やかさに驚かされます。多分それは微妙な曲面のカップの内側に取り込まれた太陽光線が、曲面同士の間で反射を繰り返しているうちに余分な色の光をすっかり吸収されてしまって、純粋な赤の光だけが残されたのではないかなどと考えます。このような本当に美しい赤が単独で存在すると言うことはありえます。
 しかしこのような鮮やかさは絵の具では表現できません。少年期の私は宮沢賢治の童話に強く引き付けられておりました。特に「銀河鉄道の夜」はまるでバイブルのような存在でした。読んでいると次々に頭の中に鮮やかな色彩を伴ったイメージが湧いてくるのです。それを絵に描こうとしたのですがたちまち自分の持っている絵の具では表現できないことを知って挫折してしまいました。
 
一方同じころの私は、父に買ってもらった廉価版の小さな画集を見ているうちに、作品の色彩が不思議なくらいに美しく見えてきて困りました。安っぽい印刷でしたし図版も小さかったのですが、画面の中であらゆる色が実に生き生きと鮮やかに見えたのでした。
 それはピエール・ボナールという画家の作品集でした。その後ルノアールやデュフイ、あるいはゴーギャンやセザンヌ、マチスやピカソ、いろいろな画家の作品でも同様な経験をしました。さらにゴッホやキリコやムンクやシーレと言った人たちの作品では、色彩が単なる美しさには留まらずに、多様な感動を生み出すことも学びました。使われている絵の具が異なるわけでもないのに、どうしてそんな違いが出るのでしょう。それが配色の問題であることに気付くには、ちょっと時間が必要でした。

File0258.jpg

ボナール「庭に面した茶の間」
スポンサーサイト

テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/09/01(金) 10:22:01|
  2. 色彩
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://dantuku.blog59.fc2.com/tb.php/40-14c09829
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。