市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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色について③

 生来的に原色好みの私の作品は、中学や高校ののころ既にゴッホの色彩やタッチに憧れており、ピカソやマチスの鮮やかな原色の配合に共鳴していましたから、仙台にいる間私の作品の色彩はどうも評判がよくありませんでした。しばしばバルール(色価)が狂っているなどと言われましたし、ときにはたまたま塗り残したようなグレーのタッチをさして「まんつまんつ、この辺りのようなスキチョウが(色調が)もちっと出てけっとー(もう少し出てくれると)ええんでねえべかやー(良いのではないでしょうか)」などと批評してくれるのでした。 そして私の仲間や先輩たちの作品も、ほとんどがブルーグレーや褐色の微妙な色調を競い合っていましたから、私はすっかり自分の色彩感覚に自信を失ってしまいました。その引け目は未だに心の底に残っていて、このトシになってもしばしば自分で自分を「自らの感性に自身を持て」と励ましていないと、制作が進まなくなってしまうくらいです。 
File0249.jpg

ゴッホ「オリーブの樹」
日本は南北に長い国ですから、北と南では色彩に関する感覚はずいぶん違うはずです。毎日見ている空の青や木々の緑の色調さえ異なるのですから、それは当然のことなのです。ところが困ったことに、作品の価値や画家としての才能は中央で判断されるのです。もともと画壇の中心は京都や関西にありましたし、明治維新以後は長州や薩摩や土佐など西日本の出身者が各界の実力者になりましたから、中央と言っても相当南よりの感覚で日本の画壇は支配されてきたと見てよいでしょう。このことは結構大きな問題だと思うのですがいかがなものでしょうか。東北地方からあまり著名な画家が出ていないのも、この辺りのことが影響しているのではないでしょうか。
 いずれにしても地域によって色彩の感覚が異なることは、十分に考えられることです。一国の中でもこうですから、自然環境や歴史や生活習慣などの全く異なる他の国や民族においては、おしてしるべしです。
 と言うことで、色彩を共通の言語と言う考えには本来的に大きな問題が潜んでいるようです。と同時に、しかしまた、それほどに色彩の人間の感覚に及ぼす影響は大きいのだと言うことではないかとも思うのです。

File0248.jpg

ピカソ「彫刻家」
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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/08/18(金) 09:35:42|
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