市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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公募展について5

 さてしかし公募展とは審査があるから公募展ではないのか。審査無しの公募展なんて考えられるか?。まず頭に浮かぶのはアンデパンダン展。以前は二つあったが今は一つだけになって、それがちょっとイデオロギー色があって、敬遠されがちな会。つまりもともとなにかバックアップがないと経営上行き詰まる性質のあるのがアンデパンダン。へたすると作品が多すぎたり少なすぎたりするし、展示位置などもイキアタリばったりで無責任になり勝ちだし、作品の質となると全く野放しでバラバラ。それにも増して主催者つまり事務方にメリットが全く無い、と言うことで何らかのバックアップが無ければ存続が難しい。
 発想の転換が必要である。これまでの公募展は審査をし作品を選別し賞を与えたりするためには何らかの求心的な権威が必要であり、理事とか委員とか会員とか会友とか一般とかいったヒエラルキー(階層性)が必要だった。上意下達の権力機構が必要だった。これに対して公募展も大きなグループ展に過ぎないと言う認識をもつべきだと言う発想の転換。
 グループ展は同好の仲間の集まりであり、その仲間を増やすには会員の紹介によるのが普通ではないか。公募展でも同様に考えればよい。会員が推薦する作家の作品を陳列する。そうすればある程度の出品者数の調節も効くし、何らかの意味での方向性や水準の維持も可能である。出品者は選ぶが出品作品の審査は行わなくて良いことになり、出品者は審査員の意思など忖度する必要は無く、自由に自分の出品作の制作に打ち込むことができる。
 私達はその実験を行っている。もっともその歴史は古く、昭和13年に汎美展は発足している。その当初から画家が画家の作品を審査するのは不当であるとして、会員が推薦する作家の作品を陳列するという公募推薦制を掲げていた。戦時下に消えかけていたものを我々が復活させて既に30年以上が経つ。その間に若干の紆余曲折があったが、今やこれが審査や権威主義に拠らない理想的な公募展の形と言えるまでに成長してきている。
 出品作の大きさや点数も自由にする。そのために一人当たりの使用できる壁面の幅を規定している。目下のところは5m以内である。展示位置は会員であろうと一般であろうと油彩であろうと水彩や版画であろうと、一切関わり無しに搬入時の抽選に基づいて公平に決められる。グループ展の拡大と考えるから入場料は取らない。その代わり展示や会場当番などは出品者の参加で行い経費を節約する。
 おかげで自由平等の至極明朗な雰囲気が表れ、多士済済のバラエティーに富んだ会場が出来上がる。難点は玉石混交になりがちだということ。これは切磋琢磨で出品者が自らの努力を怠らないと言うことで乗り切るしかない。そのためにも出品者同士の交流の機会を増やし、会場に活気を絶やさぬようにせねばならない。出品者に会場作成や当番に参画する機会を与えことが効果的であるし、ギャラリートーク「作品の前で語りあう会」や懇親会の実施も必要である。本展の他に秋季展も行って発表の機会を増やしてもいる。
 もう一つ基本的な問題点は、この行きかたでは事務局担当者にメリットは無く、全くのボランティア活動に依存せねばならないということ。ここでもやはりどこまでもこの会が自分の会だという意識の存在が鍵である。そのために徹底した民主的な態勢をとる。総会の決定の下に運営は運営委員会の判断によることになっているが、この会では会員全員が運営委員となっている。会員なら誰もが自由に委員会に出て発言できる。いかなる発言でも尊重して討議に付されていく。大事なのは特定の威張る人を作らないことである。
 もちろん理想的にうまく行っているわけではない。他人任せの依存心の強い人もいれば、展示位置に不服を言い出す人もいて、常に公平で理性的な対応を迫られる。その辺はなかなか難しく、この方式では、会の規模に限界があるのではないかとも考えている。
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  1. 2010/04/07(水) 10:19:15|
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