市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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思いつくままに18

5、実験と発見
 いささか旧聞に属することですが、ひところ「芸術は爆発だ」と言う言葉がはやって、岡本太郎さんがTVコマーシャルに出たりしてました。この言葉はきっとピカソが言った「芸術は発見だ」を下敷きにしているのだろうと思われます。ことごとにピカソを引き合いに出し、それに挑戦するような姿勢を見せていた太郎さんのことですから、なおさらそう思えます。ただし私には「爆発・・・」は一見わかりやすいけれども、結局気分的の域を出ない発言に見えまして、「発見・・・」の方が表現の方法論を具体的に示唆しているだけに、またピカソの作品や行動の中にしっかり跡付けられることでもあって、その後の美術の流れにもはっきり影響を残していますので、どうもこちらの方が一枚上手であったと思えるのですが。
 例えばピカソ自身、キュービズムに到達するまでに、古代エトルリアの彫刻やアフリカ黒人芸術を発見しておりますし、あるいはアンリー・ルッソーも発見したわけで、それらの発見はいずれも美術史上の重要な事件であったのです。この場合の「発見」とはただ単に「見いだす」にとどまらず、もっと積極的に主体的なものであり、そのことによる世界観の変革を伴う様なものでありました。実際にピカソはそれらの発見のたびに見事に自己変革をなしとげ、その都度新たな創造の世界を切り開いています。
 
 それまで芸術は修練の賜物であり、磨き上げた技術や感覚の冴えの上に築かれるものと言う考えが一般的でしたから、それを発見だと言い切ったということはいかにも革新的な事件でありました。そうしてこの言葉に奮い立たされた若いアーティストたちによって、20世紀は実験と発見の時代になってしまいました。
 いはば「実験」と「発見」が現代芸術の合言葉になったのであり、実験性や新たな発見のしるしの有無が、現代芸術としての作品の価値を左右することになったのでした。ですから20世紀の美術の急激で多様な変容と流れは、いかにも混沌として理解に苦しむように見えますが、この実験と発見の視点から、それらを楽しむような気持ちで見ていくと、意外に理解し安いものなのです。
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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/12/23(土) 11:15:13|
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