市民のための美術入門3、抽象絵画のすすめ

描いてみたい人のための抽象絵画の考え方や描き方や入り方などについて、できるだけわかりやすい言葉で書いていきたい。姉妹編「1、油絵のすすめ」「2、デッサンのすすめ」とで「絵画とは何か」にも行き着きたい。

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三要素とは4

 ところでどの絵の具のセットにも入っているのに、この色相環に無い色があります。白と黒と茶色と黄土色です。白と黒は無彩色ですから色相とは無関係な色として他に置くとして、茶色はどうでしょう。先にダイダイ色に黒を混ぜると出来る色とありました。純色に無彩色を混ぜると明度と彩度が変わりますが、色相は変わりません。そこで茶色はダイダイ色の暗色と言うことになります。ダイダイ色に白を混ぜてできる肌色やサーモンピンクはダイダイの明色で、灰色を混ぜるとベージュやアイボリー系の色調が出来ますが、これらもやはり、ダイダイ色の濁色です。
 と言うことで一つの色相には明色、暗色、濁色の無数の段階の色が含まれることになります。そのようなそれぞれの色相から代表である純色だけを集めて、波長順に並べて環にした代表者会議のようなものが色相環というわけです。
 以上の三要素を組み合わせて明度のグレースケールを中心軸にして、それを色相環で取り囲み、外に行くほど彩度が高くなるようにあらゆる色彩を配置していくと、一つの立体が出来上がります。ひしゃげた球体です。これを色立体と呼びます。
 三要素を理解し色相環や色立体を頭の中に思い描けるようになっていると、いろいろな場合に応用が出来ます。簡単にまとめれば色立体の中で距離の近い色同士は性質も似ていると言うことで、調和しやすくまとめやすいと言うことですし、距離が離れていると性質が違ってきて調和しにくくなりきつい配色になると言うことです。

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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/08/31(木) 08:39:04|
  2. 色彩
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三要素とは3

色相
「いろあい」と言う言葉があって、そこからこの呼び名は来ているのですが、一般に赤とか青とか言う違いのことです。ですから色相とはイロアイの違いであるなどと言ったのでは説明になりません。
 正確に言うと光の波長の長短の問題として、考えられるべきものです。虹の七色とか分光器によって波長の順に現われる、きれいな多色の帯に見られる色彩の違いです。本来あらゆる色光の集合の結果として無色あるいは白色に見える太陽光線を、プリズムのガラスの屈折率の違いを利用してそれぞれの波長の違いで区別したものです。つまり波長の長い赤はガラスや水を通過する際にもあまり曲がらずに通過できますが、黄色の光はやや波長が短くなって曲がり方もやや大きくなると言ったことです。そのために虹やプリズム分光では、波長の長いものから短いものへ一定の順で、きちんと並んで現われます。それに従うと赤から始まってダイダイ黄色と進んで、緑から青を経て紫から赤紫に移り、もとの赤に戻るように見えるので、これを輪にしたものを「色相環」あるいは「色環」と呼びます。
 色相環は本来連続して変化する色彩の輪ですが、これを段階に分けて12色相環や24色相環として表示します。もとの三原色さえ知っていれば簡単に記憶できますので、是非6か12の色相環くらいは憶えておいてください。
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テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/08/30(水) 09:00:54|
  2. 色彩
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三要素とは2

彩度
 鮮やかな色と鈍い色の区別もお分かりいただけると思います。
 無彩色は彩度の無い色という意味に取って下さい。ですからこれは彩度ゼロでこれら(黒灰白)を混ぜるとどの色も彩度が下がります。とすれば、最も鮮やかな色はどういう色でしょうか。
 ここで純色という色が登場します。つまり無彩色が含まれていない色ということです。それは赤にも黄色にも青にもあります。一般に絵の具のチューブから出したばかりの色は混じりけが無いから純色と考えられますが、中には茶色や黄土色のように最初から少し黒の混じった色もあり、これらは純色とは言いません。
 純色に同じ明度の灰色を混ぜていくとだんだん彩度が下がって行きます。明度段階と同じように10段階くらいに分けて彩度の尺度とします。無彩色が0で純色が10と言うように。ただしシステムによっては純色の間にも彩度の差を設けているものがあるようです。その場合は赤の純色が最も彩度が高いことになります。
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  1. 2006/08/29(火) 08:34:08|
  2. 色彩
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色彩学②三要素とは

 三要素とは、色の区別の仕方の三つの基準です。一つは明るさの違いで「明度」と言います。もう一つは鮮やかさの違いで「彩度」です。残り一つが「色相」ですがこれはなんと説明したら良いでしょう。「色相とはイロアイのことである」とかなんとか、学校の授業でも説明に困るところです。
 この三つにそれぞれ段階のスケール(尺度)を作って、それぞれにおいて度数番号を判定し、三つの番号を決めて並べたもの、例えば[1-14-10]などを色彩番号と呼びます。これは印刷やデザインや建築、塗装などの領域で広く使われており、これに従えば、どんなに微妙な色彩でもきちんと正確に指定することが出来るようになっているのです。
 ただし尺度の取り方については幾つかのシステムがあって、それぞれ若干異なりますので、ここではあまり深入りしないで、およそのところで記しておきます。また光の場合や、テレビやコンピューターのディスプレーなどの場合は基本的な違いが出てきますので、ここでは絵の具やインキの色彩についてとして話を進めます。
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  1. 2006/08/28(月) 08:32:18|
  2. 色彩
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2.入門・色彩学

 配色の練習をするに当たっては色彩の理論(科学)についてある程度の理解が必要です。なぜなら日常においては色彩は至極感覚的にしかとらえていないのが普通で、色彩の種類の分け方も厳密には出来ないからです。例えば赤と言う言葉で表せる色彩の範囲を考えて見てください。イチゴやりんごが赤いと言うのは良いとしても、柿も赤いと言いますし鯛も赤いと言いますね。あれは本当は朱やダイダイ色というべき色ではないですか。
 またエンジ色やタイシャ色やエビチャ色やカバ色などと区別されるはずの色も、一まとめに赤と呼ぶ場合が多いのです。またあなたの身の回りのものの色を全て、それが何色かいえますか。机の表面や床や畳表の色は何色と言うべきでしょうか。コーヒーと紅茶とコーラやビールの色の違いをどのように表したらよいでしょうか。
 そのようなあらゆる色をきちんと区別して使うために考えられたのが色彩の三要素あるいは三属性と言われているもので、それに基づいて論じられるのが色彩学という科学的な理論です。
 さてこの辺りでもうなんだか面倒くさそうだとか、胡散臭いとか思い始めている方が多いかもしれません。中学校や高校の美術の授業でも教えられることがあったかもしれなくて、いつもは楽しい美術の授業が理屈っぽいつまらない授業になったと思うような記憶があるかもしれません。しかしこれは色彩を扱う以上ある程度は理解しておかないと、色彩についての説明や理解が進まないのですし、配色などもやりにくいのです。しばらく辛抱して付き合ってください。

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  1. 2006/08/27(日) 09:34:02|
  2. 色彩
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色について⑥配色練習

 先に書いたとおり、私は青年期に一時期赤と黒という配色にとらわれていました。何を描くにもそれに近い配色にしました。大学の授業で作った石膏の女性の首の像を、真っ赤に塗って黒い台に載せて展示して、指導教師の顰蹙を買ったりしました。
 配色の好みについては、それぞれに個性的なものがあってよいのですが、色彩の表現性や美しさは多種多様にあるので、それらについて広く知ることも必要です。好きな色や配色を持つことも大切ですが、いろいろな色彩のいろいろな配色を一通り経験しておくことも必要です。
 そこで私は学校の授業では、48色の標準色紙を使った配色練習を生徒たちにやらせておりました。標準色紙ですからそれぞれに色彩学的に選ばれた色の紙で、一枚ごとに全部色が異なります。それを用いて、色の種類や切る形などの一定の条件を与えて配色練習をさせました。
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  1. 2006/08/23(水) 10:05:39|
  2. 絵画入門
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自然から学ぶ2

 初心者の方々に気をつけていただきたいのは、先入観念にとらわれずにありのままの色彩を見るように心がけていただきたいと言うことです。木や草は緑、地面や木の幹は茶色、空は空色で人の肌は肌色という決まりきった観念に支配されているうちは自然の色彩の本当の感動にふれることはできません。光の当たり具合で木々や野原の緑が青く見えたり黄色く見えたりしますし、木の幹は種類によって緑色のものもあれば黒や灰色に近いものもあります。人の肌色だって光の当たり具合や皮膚の下にある血管や脂肪や筋肉のありようで微妙に変化します。
 ゴッホやゴーギャンが地面を青く描いたり空を黄色く描いたり、人の顔を青く描いたりしているのも決して嘘ではないのです。感動をより強く表現するために強調してはいるのでしょうが、底には深く鋭く観察された真実があるのです。
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ゴッホ「カミーュ・ルーラン」 【“自然から学ぶ2”の続きを読む】

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  1. 2006/08/21(月) 09:13:32|
  2. 絵画入門
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色について⑤自然から学ぶ

 風景の写生をしていると、時々刻々山や海や木立の色調が変化するのにと惑わされます。木々の緑は樹種によっても季節によっても変わります。その上太陽の位置や雲の動きや風や湿度でどんどん変化します。描きにくいことですが、しかしそのような微妙な変化は自然の中でしか味わうことが出来ませんし、これに接することで色彩の微妙な性質や配色の妙を見につけることが出来ます。
 色彩と言うと配色練習や色彩学の勉強を思い浮かべるかもしれませんが、それ以前に自然の中での色彩経験の有無深浅が、その人の色彩感覚を大きく左右していることを忘れないで下さい。微妙なニュアンスの感覚や、奥深い感動に支えられた配色となると自然に学ぶしかないと思います。そしてやはり、自然の色彩に最も深く接する方法は写生です。
 ところで、写生の際には、陽光によって照らし出される自然の色彩と、絵の具の色彩は基本的に違うと言うこともしっかり頭に入れて置いてください。自然の色彩を、そっくりそのまま絵の具で表現することはできないのです。その上で自然のそれに近づける努力をすることで、観察も深まれば色彩についてのあるいは絵の具についての感覚と経験を深めることが出来るのです。
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  1. 2006/08/20(日) 09:05:53|
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色について④

 いずれにしても、色彩は強い表現性を持っています。それは視覚的な表現においては、王者の位置にあるといっても過言ではないかもしれません。しかしその表現の感覚には個性に任される部分が多い。逆に言えばその人の個性的な色彩の用い方や好みが、それまでのその人の生涯を物語っているとも言えるということです。その人の生い立ちや生活環境や、受けてきた感動の数々がその人の色彩感覚を形成していると見てよいのではないかと言うことです。
 率直に自由にその人の好みを十分に生かして用いられた色彩は、それだけでも十分に個性的な表現になるのだと言うことで、他人の言うことなど気にしないで自信を持って好みの色彩を使っていただきたいものだと思います。
 そのためにも、モチーフの固有色に支配される具象絵画に留まらずに抽象表現を試みられることをお勧めします。
 ところでしかし、普段から意識して色彩を使っている人で無いと、本当に自分の個性を発揮する色彩を使うことはなかなかできないものです。自分の好みそのものをつかめない人が結構多いのですし、それを本当に自分で満足する形で表現できる人は更に限られているのです。そこで意識的に色彩を使う機会を増やすこと、つまり色彩感覚のトレーニングの必要性が生じます。次にその代表的なものを二つ挙げて行こうと思います。

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  1. 2006/08/19(土) 09:10:40|
  2. 未分類
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色について③

 生来的に原色好みの私の作品は、中学や高校ののころ既にゴッホの色彩やタッチに憧れており、ピカソやマチスの鮮やかな原色の配合に共鳴していましたから、仙台にいる間私の作品の色彩はどうも評判がよくありませんでした。しばしばバルール(色価)が狂っているなどと言われましたし、ときにはたまたま塗り残したようなグレーのタッチをさして「まんつまんつ、この辺りのようなスキチョウが(色調が)もちっと出てけっとー(もう少し出てくれると)ええんでねえべかやー(良いのではないでしょうか)」などと批評してくれるのでした。 そして私の仲間や先輩たちの作品も、ほとんどがブルーグレーや褐色の微妙な色調を競い合っていましたから、私はすっかり自分の色彩感覚に自信を失ってしまいました。その引け目は未だに心の底に残っていて、このトシになってもしばしば自分で自分を「自らの感性に自身を持て」と励ましていないと、制作が進まなくなってしまうくらいです。 
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ゴッホ「オリーブの樹」 【“色について③”の続きを読む】

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  1. 2006/08/18(金) 09:35:42|
  2. 絵画入門
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色について②

 しかしまた、異なった環境で育ち異なった感動経験を持つことで、人それぞれに色彩によって引き出されるイメージは少しづつ異なります。そのために赤なら赤と言う色彩にも、人によって受ける印象は微妙に違うでしょう。そのときその人が置かれている状況によっても、影響を受けるでしょう。
 私は少年期の一時期、絵を描くときにものの陰や輪郭線を鮮やかな紫で描いていました。私自身にはそれがきれいに見えるし不自然とは思っていなかったのですが、学校の先生には紫がどぎついと言われましたし、周囲の人も異様に感じていたようです。そしてある時期が過ぎるとそのような鮮やかな紫は使えなくなり、そのころの絵を見れば不自然だと感じるようになって行きました。 また青年期のある時期には黒と赤の配色を好む時期があり、何でもその配色にしないと気が済まないように感じたものでした。また別の時期には黄色と白といった不安定な配色を好んだこともありました。このようなことを色彩心理学の専門家に話せば、それぞれそのころの私の心理状態に何らかの特徴を指摘してもらえるのかもしれません。
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  1. 2006/08/17(木) 10:12:25|
  2. 絵画入門
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1、色について

 自然の中での色彩に感動した経験を思い返してください。秋の台風一過の夕暮れの、まっかっかの夕焼けに見とれて時のたつのを忘れたとか、満開の桜の花を見ているうちに、身も心も染まってしまうように感じたとか、ハイキングに行って鮮やかな新緑に酔うようにして、森の中を歩いたとか、真っ白な雪山の透き通るような青い陰影や、真っ青な海の白い波濤とか。
 そのような強烈な色彩体験は、その人の色彩感覚に大きな影響を残します。基本的な色彩感覚は幼児期に形成されますが、物心付いてからの感動も原体験の一つになりえます。
 乳幼児期にまず最初に深い関心を寄せるのは母親の肌や乳房の色彩で、ピンクや肌色を親しみやぬくもりや愛の色彩として、心の奥底にいつまでも残すでしょう。食欲を導くのもこれらの色彩です。明るい青はやはり常にはるかな上にある空の色で、風や水の印象とも結びついて、遠くにあって軽くて冷たくて澄んでいるといった原イメージをたいていの人に植え付けているのではないでしょうか。
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  1. 2006/08/16(水) 10:47:47|
  2. 絵画入門
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第3章 色と形

 絵画はから出来上がっています。当たり前の話です。
 具象絵画と違って抽象絵画では、そのも全く作者の自由に任されていて、好きなように好みのをどこにでも塗ることが出来ます。そのとき塗りたいと思ったを描きたいと思うに塗れば良いのです。
 しかし実際はそう簡単にはいきません。
 どのをどのように塗ったらよいのかが、わからない場合の方が多いのです。
 そこでまずについて、手がかりを得るための参考になりそうなことを書いて見ましょう。

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  1. 2006/08/15(火) 09:20:32|
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描き方⑩ コラージュ

 フランス語のコレ(で貼った)が元になって出来た言葉です。紙だけのものはパピエコレなどとも言います。を使って張り合わせる技法のことです。絵の具で描く代わりに、いろいろなものをそのまま切り抜いて貼り付けてしまうのです。包み紙や色紙、布や新聞紙や写真や挿絵の切り抜きなどから、今では接着剤の進歩も手伝って、釘や空き缶のような金属やプラスチックの製品なども含めて貼り付けられるものなら何でもありということになってきています。
 写真や挿絵を使った場合は、切り抜き方と組み合わせ方によっては思いがけない奇妙な形のものが出来たりして、面白いものです。フォトモンタージュなどとも言います。
 平面を脱して、既成のものをそのまま集めて集合の効果を生かした立体作品はアッサンブラージュです。
 私もいろいろな技法を試みて来ましたが、手っ取り早くて効果的なのは、ドリッピングやマーブリングやデカルコマニー等の作品をいくつか作っておいて、それに雑誌の写真の切り抜きなどを加えて一枚のコラージュとしてまとめるやり方です。これなら全くの偶然性だけに頼るのではなく作者の主体的なセンスと判断力の入り込める余地も十分にあり、創造活動として楽しめます。

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  1. 2006/08/14(月) 08:32:55|
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描き方⑨ フロッタージュ

 私が子供のころ、家の天井は杉や檜の薄板で張ってありましたから、古びるにしたがって木目がはっきり現れてきていて、毎朝目を覚ますごとにしばらくその木目を見て過すのが楽しみでした。木目の形の中に人の顔のような部分やネコの頭のようなものも見出すことが出来、そこからさまざまな空想を楽しむことが出来ました。そのほか家の内外あちこちのなんとなく不思議な空想を刺激するデコボコがあったものです。
 残念ながらプラスチックとステンレスとコンクリート時代になって、このような楽しみの機会は大変少なくなってしまいました。
 このようなものの表面にあるわずかなデコボコを紙に写し取るのがフロッタージュです。「擦り出し」などとも呼ばれていますが、でこぼこのあるものの表面に薄い紙を押し当てて、上から鉛筆やクレヨンなどで擦ると淡い陰影の中にそのデコボコの形が浮かび上がってくるのです。木目や植物の葉などのほかに、人工物からもいろいろな形が取れます。
 シュールリアリストのエルンストなどが、この方法やデカルコマニー等の方法を非常に巧みに使って不思議な世界を表現していますので、参考に見てみてください。

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  1. 2006/08/12(土) 09:45:05|
  2. 絵画入門
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描き方⑧バチック

 蝋画とも言います。油脂は水をはじいてしまいます。や油で描いたものに水彩絵の具を塗ると、油気のあるところが白く抜けてしまいます。の代わりにクレヨンを使えばカラフルになります。を塗ってその上に色を塗るだけではなく、塗ったに傷を付けたり削ったりして、そこに色をしみこませればシャープな表現が出来ます。またを塗って色を塗って、乾いてからまた蝋を塗って色を塗ってを繰り返して行けば、グラデーションの効果も出せます。
 いずれにしても絵の具を塗って乾かしてから、蝋の表面をペインティングナイフなどで削り落として、蝋の表面に付いた汚れをとることが必要です。
 最近はデザインの材料として、白抜きインキ(マスキング液)が発売されています。基本的には生ゴムの液で、これを塗って乾かしてから絵の具を塗り、それが乾いてから固形の生ゴムなどでこすると先に塗って固まっていた生ゴムがはがれて、その部分だけ白く抜けてしまうのです。日本画家でこれを使って、雪景色などの墨絵をきれいに描く人がいます。真っ白な雪の部分に、先にマスキング液を塗っておいてから墨で陰影や枝などを描いて、乾いてから固まった生ゴムを落とすのです。

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  1. 2006/08/11(金) 17:44:44|
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描き方⑦ アクリル絵の具の性質で

 水彩絵の具でありながら、油絵の具のように塗り重ねの出来るアクリル絵の具は大変便利な絵の具です。この絵の具は水で溶いて使うのですが、一旦乾くと水には溶けなくなると言う特性を持っています。この性質を利用するといろいろ面白い効果が生み出せます。
 例えば前記のドリッピングなどにこの絵の具を用いて、生乾きの部分が残っているうちに水洗いしてみましょう。ナマ乾きの部分だけが色が落ちて白くなるために」、一段と繊細で複雑な形が得られます。
 一面に同じ調子で色を塗っておいて、その色が乾かないうちにさっと刷毛で水を振りかけたり、散らしたり流したりして、元の平塗りの部分が乾いた段階で水洗いをすれば、飛沫や流水の姿をそのまま残した自然体の白抜き模様が得られます。

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  1. 2006/08/11(金) 07:53:09|
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描き方⑤にじみ ⑥スパッタリング

⑤ニジミの効果
ドリッピングの一種ともいえますが、濡らした紙の表面に絵の具を塗るとぼやっと広がります。広がり方に微妙なムラが生じて面白い効果を生み出します。
 乾かすタイミングも影響しますし、紙の質にもよります。紙を濡らす水をムラに塗っておいてから筆に付けた絵の具を塗ると、乾いていたところは輪郭がはっきりし、濡れているところではにじみます。異なった色のニジミをぶつけ合わせるなどの工夫を凝らしてみてください。思ってより美しい効果が得られます。

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  1. 2006/08/10(木) 09:28:39|
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描き方④マーブリング

 磨いた大理石の表面に表れるような、不定形の模様に似た形が得られることから、一般にマーブリングと言われています。墨流しとも言われるように、一番簡単なのは墨を使う方法です。墨汁でもかまいません。
 浅いバットに水を入れて平らに置きます。もちろん容器は洗面器やバケツやお菓子などの空き缶などでも十分です。墨を筆に付けて数滴水面上に垂らします。筆の先をちょっと水面上につけても良いのです。このとき水面に広がる薄い膜のようなものが問題なのです。水面下に沈んでいく墨汁の固まりはどうでも良いのです。筆の軸などで軽く水面をかき混ぜて油膜の形に変化を付けます。水面の形より一回り小さく切った紙をそっと水面上に浮かべます。
 浮かべた紙はすぐに取り上げて、流水でざっと水洗いしますと、油膜がそのまま紙の表面に移ったマーブリング模様が出来ています。新聞紙にはさんだり窓ガラスに貼り付けたりして乾かします。
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  1. 2006/08/09(水) 08:16:12|
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描き方②プリンティング③デカルコマニー

②プリンティング
 手にひらに絵の具を付けて紙に押し付ければ、手形が出来ます。コップの口を使えば円が描けます。ハンコの様にしてペタペタ繰り返し押し付ければ、同じ形がいくつも並びます。いろいろな形のものに絵の具を付けて試してみましょう。押し付け方を工夫したりすれば、結構複雑で面白い模様も作れます。
 更に一歩を進めて、不定形のものを使うとどうなるか。布や紙を適当に丸めたものなどです。ビニールやセロファンではどうでしょうか。ビニールのように表面の滑らかなものに粘り気のある絵の具を付けて、キャンバスや表面のつるつるした紙に押し付けてはがすと独特のムラが生じます。このようなムラの面白さに着目してその効果を追及するのが、次に挙げるやり方です。
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  1. 2006/08/08(火) 09:08:13|
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描き方①ドリッピング

 これを盛大にやって、それも徹底してやって、そのために全く新しい空間を生み出した者として、20世紀後半の現代美術の開拓者の第一人者として崇められている人に、ジャクソン・ポロックと言う人が居ります。アメリカで抽象表現主義の旋風をまき起こし、1956年に40代半ばで交通事故死してしまいました。
 彼の制作は床の上に広げられた巨大なキャンバスの上を飛び回りながら行われました。刷毛で振りまいたり、バケツや缶に入れられたペイントをキャンバス上の一面アチコチに撒き散らしながら走り回ったのです。それを見て人々はこのような描き方をする人をアクションペインターと名付けました。
 我々もやってみたいところですが、とりあえず普通の画用紙などでこじんまりとででも十分楽しめます。
 平らに置いた紙や斜めに立てかけた紙の上に、太目の筆にたっぷり含ませた絵の具をポタポタ落とすとか、容器に溶いた絵の具をじかに撒き散らすとか。紙が斜めなら絵の具は流れます。たまった絵の具を紙を動かしてあちこち流してやることも出来ます。適当なところで傾き方を変えることで、相当複雑な形も作れます。高いところから溶いた絵の具を落とせば四方に飛び散るでしょうし、刷毛や筆を振り回すことでまた変わった飛沫の形を得ることが出来ます。
 絵の具のたまりを口で吹いて広げると、面白い形が出来ます。もっともこれはやり過ぎないように気をつけないと、貧血を起こしてひっくり返ることになりかねませんからほどほどにしてください。
 
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  1. 2006/08/07(月) 08:53:12|
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2、描き方もいろいろある

 「絵の具はパレットで溶いて、筆で紙に塗りつけるものと決めてはいけない。それ以外にも使いようはあるはずだ」と言う辺りから話を進めましょう。大方は子供のころに遊びとして経験したようなことであって、大人意識を振り捨てて童心に帰ったつもりでやってみると面白い。絵の具も絵の具と思わないでドロ遊びのつもりでやってみようとか。
 そこでとりあえず「筆を紙に付けずに絵を描く方法は無いかな?」と生徒たちに問いかければ、中学生や高校生、早速絵の具の飛まつを飛び散らかせながらあの手この手と工夫して見せてくれます。まず絵の具をぽたぽたと紙の上に落とすことあたりから始まって、散らしたり吹き散らしたり、流したりと発展していきます。中には筆を離れて何かに絵の具をつけて押し付ける者もあり、押し付けたときに出来るムラの面白さに気付く者もでてきます。
 偶然が作り出す形や色の多様な変化の面白さを発見し、それを何かに生かして使えないかという方向に持っていけば、さらにいろいろな展開が可能になります。
  【“2、描き方もいろいろある”の続きを読む】

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  1. 2006/08/06(日) 09:07:19|
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目に見えないものを描く5

 抽象表現の武器としてはまず色彩が大きな力を持っています。デッサンや写生の経験を積んでおられる方は、対象の持つ色彩(固有色)に縛られることに慣れてしまっていて「好きなように色を選んで自由に描きなさい」などといわれると困ってしまう人が多いようですが、ここは思い切って自由にやってみてください。
 と言っても簡単には、使いたい色も描きたい形も頭には浮かんで来ないかもしれません。色彩と言うものは使い慣れていないと、イメージとして思い浮かべにくいもののようです。明るいのか暗いのか、軽いのか重いのか、暖かいのか冷たいのかなどくらいのところまで、まぶたを閉じて想念のうちを探ってみるのも良いでしょう。
 ぼわっと淡く大きく塗ろうか、きちんと硬く塗ろうかカチャカチャした感じかくねくねした感じかなどと形についても考えてみてください。しかし頭の中だけではいくら考えても、本当に自分お気持ちに合った色や形はなかなかわからないものです。そこでやるべきことは実験です。
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  1. 2006/08/05(土) 09:20:07|
  2. 絵画入門
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目に見えないものを描く4

 音楽を聴いて描いたときと同じことなのですが、「いまなんとなく塗りたいと思う色と描きたいと思う形が、私のいまの気持ちを表す色と形なのだ」と言うように考えてください。そんなことでよいのかと心配になるくらい簡単なことなのですが、とりあえずそのように信じてください。
 難しく考えることは無いのです。この考え方が抽象表現絵画の出発点なのです。抽象だけでなく具象絵画でもいまの時代ではこの原理が働いていると言っても良いと思います。取り分けて抽象美術ではそうなのだと言うことですが。

 現代アートの意味について何のかんのとシチメンドウクサイ理屈を並べ立てる作家や評論家がいますが、そんな理屈の殆どは作品が出来てから後でその作品を説明しようとしてでっち上げられたものだと言っても良いと思います。実際に制作している作家の気持ちはごく単純なものです。「描きたいと思う色や形を描きたいと思うように描く」それだけです。
 形のほうには具象的なものも含まれてよいはずですが、人や海や花などをそれらしく描くためには、それなりの描写技術が必要になりますし,それぞれのモチーフには固有色というものがあって、気まま勝手に自由に色を選んだりはできなくなりますから、この際は出来るだけ排除するように心がけてください。ただしごく単純化された「○○らしい形」くらいのところで固有色にとらわれなければ良いでしょう。

File0230.jpg

テーマ:抽象絵画のすすめ - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2006/08/04(金) 13:46:02|
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